ここだけの話、私の清掃マニュアル(風呂編)

水まわり

本格的なお風呂掃除をする際、結局プロは何をやっているのか….?
やっていることはただひたすらに綺麗にすることなのですが、プロとしてやる以上、時間はお金であり、お客様の願いを叶える腕こそが信頼となりプロである所以であると私は思います。

そこで、清掃業者において最も重要な要素は「ヒアリング」と「段取り」だと私は考えております。
お客様の要望、求めることをしっかり聞き、それを完璧に叶えるための段取りこそが仕事をうまくこなしていく力になるのです。

そこで今回は私の経験から導き出したお風呂の清掃マニュアルを公開します。

 清掃屋さんってこんなことをしてるんだな~

と、見ていただければと思います笑
ちなみにこれは私が従業員に配布した実際のマニュアルでもあります。

風呂掃除で使用する洗剤

アルカリ
→石鹸カス、カビ

酸性
→水アカ

塩素(アルカリ)
→カビ(パッキンを白くしたい場合)

研磨剤
→鏡面仕上げ(銀色の部分の光沢を出す)

風呂掃除で使用する道具

・ブラシ、パッド類一式
・電動ドリル(ポリッシャーパッド一式)
・ウエス類
・窓清掃セット(必要な場合)

工程

①荷物搬入
②浴室内の小物を外に出す
③排水溝や換気扇など、清掃個所の分解
④必要個所に塩素系洗剤の塗布(カビ取り)
⑤清掃道具、各種洗剤の準備、配置
⑥天井、換気扇取り付け部の洗浄
⑦壁、扉、窓、蛇口や洗面台、鏡、室内灯、シャワーホルダー、タオル掛けなどの洗浄
⑧浴槽、風呂給水口の洗浄
⑨床、排水溝の洗浄
⑩パーツの組み立て、全体的なすすぎ洗い、拭き上げ
⑪小物類を元の位置に戻す

①荷物搬入

荷物を搬入する際は事前に風呂清掃用のセットを作っておく。

荷物搬入後は整理や機械の準備ではなく③までを先に済ませます。
※カビ取り剤塗布後時間を置く必要があるため。

②浴室内の小物を外に出す

まず、お客様の了承の元、浴室内の写真を撮影しておきましょう。
清掃後、元の位置に小物を配置しなおす為です。

撮影後、お客様の私物である小物(シャンプーボトルや石鹸、カミソリ、歯ブラシなど)を浴室の外へ出す際、脱衣所床には拭き上げタオルなどの大きめの布を敷いておき、小物には流水による簡易な洗浄を行い、その布の上に並べておきます。
(ブラシやウエスの使用は問題ないが、洗剤は使わないようにしましょう。)

洗面ボウルや風呂椅子などの丈夫なプラスチック類にカビを確認した場合は③の工程を行うため、浴室内に留めておきます。

★ポイント
浴室内の小物は流水による洗浄後、濡れたまま置いて大丈夫です。
最後、元に戻すまでにある程度乾いているので、拭き上げの手間を短縮できます。

③排水溝や換気扇など、清掃個所の分解

清掃箇所については見積書や指示書でしっかりと確認し、清掃が必要な箇所のパーツの取り外し等、分解作業を行います。

注意点:換気扇はフィルターまでか、シロッコまで契約にあるか
    排水溝は内部までちゃんと分解できたか、パーツの紛失はないか

★ポイント
このとき、換気扇に付着した埃や、排水溝の髪の毛やゴミなどの容易に取り除ける汚れを取っておくと後の作業の手間が省けるためやっておきましょう。

④必要個所に塩素系洗剤(カビ取り剤)の塗布

塩素系洗剤(カビ取り剤)をカビの繁殖した箇所に塗布します。
天井、壁の四角、排水溝、パッキン箇所に繁殖している事が多いです。
その他、①で必要と判断した小物にも塗布します。
ここでは、塗布するだけです。洗い流さないようにしましょう。

注意点:必ず保護メガネをつけてから塗布しましょう。
    天井や壁に向けてスプレーする際には自分への跳ね返り、液だれに注意します。
    壁の液だれ跡になりやすく、下から上へ塗布するのが良いです。

★ポイント
排水溝のパーツなど、カビの繁殖が強い箇所にはパーツの両面、表裏にしっかりとスプレーし、ムラのないよう心がけます。
蛇口のハンドルや浴槽内の排水溝、その栓の取り付け部付け根など細かいところにもカビが繁殖している事が多いので注意しましょう。

⑤清掃道具、各種洗剤の準備、配置

浴室内の様子をしっかり確認し、適切な道具を選定、準備します。

例)
壁や床に水アカ、ヘアオイルなどがこびりついており、簡単には取れそうにない。
→ハンドポリッシャーに適切なパッドを取り付ける。

浴室内全体に赤カビのような汚れが付着している。
→高圧洗浄機、洗剤噴霧器

浴室内に窓があり、洗浄が必要である。
→窓用清掃セット一式と対応した洗剤

電源や組み立てが必要な道具は安全確認の元、接続、組み立てまで済ませておく。

⑥天井、換気扇取り付け部の洗浄

ここから洗浄作業が始まります。
掃除の基本は上から汚れを落としていくことです。

まずは天井から作業を開始します。

天井の汚れが軽微な場合
→全体的にシャワーで汚れを落とし、布で擦ってみる

天井にカビ
→ブラシで擦り、ダメならメラミンスポンジやハンドポリッシャーをあてる

それでも落ちない場合はもう一度カビ取り剤を塗布し、次の工程に移り、数分後に再度同じ手順を繰り返す。

注意点:シャワーを使用する際は換気扇の取り付け部分に水が侵入しないよう注意を払う。

★ポイント
天井は高所なため、脚立を使用することが多いと思いますが、その脚立の足にウエスを巻いておくと脚立が滑りにくくなり、床や浴槽の傷も防げるため安全です。

⑦壁、扉、窓、蛇口や洗面台、鏡、室内灯、シャワーホルダー、タオル掛けなどの洗浄

天井の作業が終わったら、次は壁です。

しかしこの場合、壁をただ「壁」と認識するのではなく、浴室内の「壁面全て」と認識をした方が清掃漏れが少なくなり、リスクヘッジにつながります。
従って、壁面に取り付けられている全てをここで洗浄します。


→天井と同じ+石鹸カスを落とすためにアルカリ洗剤の使用。塗布し一定時間待つ必要があります。待っている間に次の工程に行きましょう。
※白い汚れが浮き出てくる場合はアルカリでは落とせないため、この段階では無視します。


→解体する。 扉そのものや側溝など隅々までしっかり清掃する
※すりガラスはブラシを使用。溝の汚れは細いブラシでしっかり落とす。


→室内から作業できる場合は両面やっておく。
できない場合は一度外に出て清掃しておきましょう。
後回しにし、忘れて帰ることが最悪のケースです。

蛇口、洗面台等の金属部
→研磨剤不使用の不織布(オレンジパッド)と研磨剤が有効な場合が多い。
しっかり水垢まで落としましょう。


→専用の洗剤やハンドポリッシャーなどで磨きます。傷がつきやすいため注意が必要。
※鏡の仕上げはオプションのため作業内容を確認のうえ実施。
 オプションで頼まれていない場合は自分の顔が見える程度の研磨

注意点:破損個所や大きな傷、どうしても取れない汚れがある場合は事前にお客様に報告    し、写真を取っておくとトラブルを避けることができます。

★ポイント
浴室の壁の素材は様々です。
材質、劣化具合の確認を怠らず、適切な処置をしましょう。

⑧浴槽、風呂釜給水口の洗浄

浴槽内は壁と同様の方法(カビ取りとアルカリ)で洗浄します。
風呂釜給水口は外側のフィルター部分のみを取り外し、フィルター、給水口の両方を洗浄します。

注意点:給水口はその周りと本体に汚れが付着しているためブラシ等を使い念入りに清掃すること
    浴槽内排水溝も同じく周りに汚れが付着しています。
    排水溝の蓋にはチェーンが繋がっていることがおおいですが、そのチェーンの清掃も
    忘れないようにしましょう。

★ポイント
風呂釜給水口はフィルター部分だけでなく、完全に取り外すことができます。
その際には汚れ度合いを確認し清掃が必要だと判断した場合はお客様に提案できると良いですね。

⑨床、排水溝の洗浄

まず、③の仕上げ作業を行います。
小物や排水溝のパーツは洗浄後、しっかり洗い流してから外へ出します。
床の清掃は天井や壁と同様に、適切な洗剤を使用し、ブラシ、ハンドポリッシャーなどを用いて洗浄します。

排水溝は隅々までしっかりとブラシを入れます。
チャンネルブラシなどを使用します。

注意点:風呂の床は滑り止めの効果を持たすため、複雑な模様になっていることが多く
    目地や隙間がおおいです。しっかりと隅々まで綺麗にしましょう。
    加えて、床は撥水の加工処理がされていることが多く、研磨剤や
    硬いブラシでこすりすぎると撥水効果を無くしてしまう可能性があるため
    浴槽の横に貼ってあるシールを探して確認しましょう。

★ポイント
ブラシが目地の様々な角度にあたるように回しながら使うと良いでしょう。

(9.5)酸性洗剤の使用

⑥で落とせなかった白い汚れは酸性洗剤で落としていきます。
事前にアルカリを使っているため酸性洗剤を使う前に浴室内のすすぎをしましょう。
※非常に強力なため5分以上の放置は危険です。

白い汚れには酸性洗剤を塗布します(オレンジパッド使用)
力を入れずに何度かこすると白い汚れは取れていきます。(落ちない場合は同様の手順で数回繰り返します)
※これで落ちない場合は手持ちの洗剤では落とせないためキクタへ連絡してください。

⑩パーツの取り付け、全体的なすすぎ洗い、拭き上げ

洗浄したパーツを元の箇所に取り付けていきます。
その後、浴室全体にシャワーなどで優しく水をかけ、残りのゴミを一掃します。
このとき、排水溝にゴミがたまるので取り忘れのないよう注意します。

最後に拭き上げ、水気を取ったら清掃は完了です。

★ポイント
この工程があるので、途中途中の必要以上の拭き上げは無駄作業の可能性があります。
特に窓や鏡、蛇口などの金属部分は水気をとって汚れ具合を確認をしますが、綺麗になった確認が取れ次第、そのまま次の作業へ進んだ方が良いでしょう。

⑪小物類を元の位置に戻す

事前に撮っておいた写真を元に、浴室内の小物類を元の位置に戻します。
このとき、しっかり水気を拭きとってから戻しましょう。

★ポイント
元に戻すとはいえ、美しく戻す事がポイントです。
シャンプーボトル類はパッケージが正面、口は同じ方向を向く。
カミソリなどの刃物は分かりやすいところに真っすぐ置く。
ボディタオルなどはしっかり畳むか、所定の位置に綺麗に収納する。
その他、洗顔、歯磨き粉などの小物もパッケージが正面にくるよう綺麗に並べておくなど、そういった心づかいが清掃では一番大切です。

 

清掃屋さんはこのような作業を行っています。
もしかしたら家庭でも使えるテクニックがあるかもしれません!
分からないことやご質問があればご連絡ください!

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