前回に続き、エアコン清掃でプロは何をやっているのかという事で。私が作成し、実際に現場で使っているマニュアルを公開します。
何かの参考になればと思います!
↓前回の記事
エアコンの清掃で使用する洗剤
エアコン用洗剤
→エアコン内部の洗浄
希釈に注意
塩素系洗剤(カビ取り剤)
→エアコン内部、フィルターなど
防カビコーティング剤
→洗浄後、エアコン内部に使用(追加料金につき要確認)
シリコンスプレー
→エアコン本体のカバーに使用(追加料金につき要確認)
エアコンの清掃で使用する道具
・ブラシ類一式
・エアコン用高圧洗浄機
・掃除機
・ウエス類
・脚立などの足場
・ブロワー(防カビコーティングの場合のみ)
工程
①荷物搬入とエアコンの点検
②養生
③分解
④本体の大まかな洗浄(ドレンのつまり確認、解消)
⑤本体、カビの繁殖部にカビ取り剤の塗布
⑥フィルター等、パーツの大まかな洗浄
フィルター等、パーツのカビ繁殖部にカビ取り剤の塗布
⑦本体の徹底洗浄
⑧フィルター等、パーツの徹底洗浄
⑨室外機、その他ホース等の洗浄
⑩本体、フィルター等、パーツの拭き上げと組み立て
⑪乾燥
①荷物搬入とエアコンの点検
エアコンの清掃は他の清掃個所と違い、専用の道具と洗剤を使って行うため1~2つのコンテナなどにまとめておくと搬入も便利になり、忘れ物対策にもなるためオススメです。
荷物を搬入し終えたら清掃するエアコンを一度点検します。
点検内容例
・全ての設定が正常に作動するか
・パーツの破損や傷はないか
・異臭や水漏れはないか など
もし異常が見られた場合は至急お客様、上司に報告の上指示を仰ぎます。
事前の点検は様々なトラブルを防ぐうえで重要なため必ず行いましょう。
点検に問題がなければ清掃が始めれるよう準備を整えましょう。
注意点:事前の点検は様々なトラブルを防ぐうえで重要なため必ず行いましょう。
洗剤の希釈は必ずメーカーの指示に従う事。
★ポイント
本作業での防カビコーティングなど追加メニューの有無や、パーツ洗浄が行えるような水の使える庭やベランダなど作業場所の確保など、お客様と事前に打ち合わせることで、後の作業の効率が大きく変わるため、全ての段取りを再確認しておくと良いでしょう。
②養生
養生をする際、動かせそうな家具や家電は全て安全な場所へ移動させておく方が無難です。
大型の家具や家電はしっかりと覆うように養生します。
養生後、再度家具等に水があたる危険性がないかしっかりと確認をしましょう。
★ポイント
家具や家電を動かす際、安全に持ち上げ移動することができるかという判断基準のほうが安全です。
家具や家電を無理に押したり引いたりして移動すると床に傷が入ることがあるためお客様の了承を頂けない場合は控えます。
また、家具や家電を動かす際は動かす前の状態をお客様了承のもと写真に残しておくことで作業終了後、しっかりと元の位置に戻すことができます。
③分解
エアコンを分解するときは破損に注意しつつ作業します。
ネジでとめてある箇所が分かりづらい機種もあるため、無理に力を入れたりせずに慎重に作業を行ってください。
注意点:ネジや留め具の紛失に注意しましょう
機種によっては異なる長さのネジを使っている場合もあるため
できるだけはずした順番、場所がわかるようにネジ、留め具を管理します。
★ポイント
エアコンは機種名(型番でも可)で検索すると分解の様子を動画で確認できることがあります。
しっかり予習すると良いでしょう。
④本体の大まかな洗浄(ドレンのつまり確認、解消)
パーツ分解後、エアコン洗浄カバーを装着し、本体のおおまかな汚れを除去します。
まずは排水ドレンのつまりがないかを確認することで汚水の逆流を防ぐことができます。
つまりがある場合は先に解消します。
注意点:おおまかとは言え、アルミフィンの裏までしっかり洗浄しましょう。
神経質になる必要はありませんが後の作業を楽にするために必要な工程です。
⑤本体、カビの繁殖部にカビ取り剤の塗布
おおまかな洗浄後、頑固なカビを除去するため、カビ取り剤を塗布します。
10分~20分程時間をおきたいので速やかにつぎの作業に移ります。
注意点:本体の裏や見えづらい部分もしっかり確認し塗布します。
アルミフィンの塗布は細心の注意を払うか、やめておきましょう。
ドレンパンには必ず塗布するようにしましょう。
⑥フィルター等、パーツの大まかな洗浄
④、⑤と同じく、おおまかに汚れを落とした後にカビ取り剤を塗布し、しばらく放置します。
フィルターは水をかける前に埃を掃除機で吸っておくとスムーズに作業ができます。
注意点:カビ取り剤が使用できるパーツかしっかり確認し、濃度を調整しましょう。
⑦本体の徹底洗浄
カビ取り剤でゆるんだカビや取り残した汚れをすべて排除します。
細かな部分もチャンネルブラシやウエス、スクレーパーなどを使い綺麗にします。
洗浄後は濡れたまま次の作業に移行します。
注意点:エアコンのアルミフィンは非常に薄い為、曲がりやすく、鋭利です。
素手で触るとケガの恐れもあり、危険です。
細心の注意を払い、力任せな作業はやめましょう。
★ポイント
ウエスはアルミフィンにひっかかりやすく曲がったり破損の原因になることが多いので、使用は控えた方が良いです。
毛量が多く、毛のやわらかいカーブラシなどが適切です。
アルミフィン以外はスクレーパーにウエスをかぶせることで隅々まで綺麗にすることができます。
⑧フィルター等、パーツの徹底洗浄
⑦と同様の作業を各パーツに施します。
洗浄後は濡れたまま綺麗な布の上に置いておき、次の作業を進めます。
⑨室外機、その他ホース等の洗浄
室内、エアコンから延びるホースの埃、汚れの除去を行います。
ホース洗浄後、続いて室外機の洗浄を行います。
室外機のアルミフィンも曲がりやすく破損しやすいため、毛の柔らかいカーブラシなどでカバーをふくめ高圧洗浄機やホースの流水などで洗浄します。
注意点:拭き上げの必要はありません。
逆にタオルで擦ると塗装の表面がはがれたりすることがあるのでそのままで結構です。
⑩本体、フィルター等、パーツの拭き上げと組み立て
◎防カビコーティングの場合
組み立ての前にブロワーを使い乾燥させ、防カビコーティングを行う。
※防カビコーティングはよく乾燥していないと効果を発揮しづらいため入念にブロワーをあてます。
エアコン本体とフィルター等、パーツを拭き上げてから組み立てます。
特にフィルターには水気が残らないよう、しっかり拭き上げます。
パーツを組み立てる際に、ウエスにシリコンスプレーを塗布し、塗り広げてから組み立てていきます。
※シリコンスプレーの塗布はしっかりする必要があるので薄くならないようにウエスに塗布を繰り返します。
注意点:アルミフィンはウエスで拭きあげると引っかかって危険です。
拭き上げの必要がないくらい乾いているはずなのでアルミフィンにウエスが
触れないよう注意しながらその他の箇所を拭き上げましょう。
⑪乾燥
温度設定の高い暖房モード(強風)が最も効果的にエアコンを乾燥できます。
※電源をつけてすぐには動かない場合がありますが、数分待つと動くので、不要な道具を片付けて待ちましょう。
しかし、室内の温度に大きな変化が加わるため、必ずお客様に確認をとってから実行してください。
★ポイント
もし暖房が使えない場合は、窓を開け、除湿か冷房を最大風速で行うと効果的です。
冷房の場合はできるだけ温度設定を外気と差が出るようにするとより効果が期待できます。
※動作確認も含め、全てのモードに切り替え確認します。
以上がエアコンの清掃マニュアルです。
もしわからないこと、不明な点がありましたらご連絡下さい!!
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